ユネスコ世界文化遺産「白川郷合掌造り集落」

白川郷合掌造り

日本の原風景を見るような景色。岐阜県大野郡白川村、荻町地区。ここには、日本独自の建築様式である合掌造りの家々が、おおよそ100棟余り現存しており、今も人々が暮らしています。
この貴重な景観は、1976年、重要伝統的建造物群保存地区として選定され、さらに1995年、五箇山(富山県)とあわせて、白川郷・五箇山の合掌造り集落として、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
「合掌造り」という建築様式は、木の梁を山形に組み合わせたもので、正面から見ると人が掌を合わせて祈るような姿=合掌から、このように呼ばれるようになったといいます。
とくに白川郷の家は「切妻合掌造り」といって屋根が急勾配の三角形になっていますが、積雪が多いこの地域の知恵から生まれた様式といえます。この地域が評価されたのは景観だけではありません。地域住民の互い助け合う心、「結」という「相互扶助精神」が健やかに生き続けていることもまた、高い評価を得ました。
茅葺屋根の葺き替えや維持、放水訓練などを家同士で協力して行っていますが、互いに思いやる気持ちこそがこの原風景を守っているのでしょう。日本人の美しい心映えにもぜひ触れてみてください。

ユネスコ無形文化遺産「本美濃紙」

美濃和紙体験

和紙は日本の宝といえます。しなやかさ、強さ、そして美しさ。さまざまな伝統工芸品や和風建築などに用いられてきた和紙の中でも、本美濃紙は最高峰のクオリティを誇ります。
その歴史は古く、正倉院に保管されている日本最古の紙である大宝律令(大宝2年)の戸籍用紙にも、美濃国の和紙が使われています。
柔らかく、繊維にむらがなく絡み合い、独特の風合いを持った美濃紙は、江戸時代になると「美濃判」という最高の障子紙として幕府御用達の紙として、その名が全国に知られるようになりました。
「本美濃紙」と呼ばれる和紙は、厳しい基準をクリアした和紙だけに与えられる称号です。
長良川の支流・板取川を流れる綺麗な水流、最高級の和紙素材である茨城県産の大子那須楮を使い、木曽ヒノキと硬い真鍮の漉き桁を使って、昔ながらの技法で丁寧に漉かれていますが、その割合は美濃和紙の全製品のうちの1割ほどといわれています。
薬品による漂白は一切行わず、自然な風合いと気品ある「白」は、自然と人の手が生み出した技の結晶。国の重要無形文化財に指定された美しさには「美濃和紙の里会館」で触れることができます。

世界農業遺産「清流長良川の鮎」

清流長良川の鮎

岐阜県南部を流れる長良川は、日本三大清流の一つ。岐阜県の山々から県内を通って、伊勢湾まで全長166kの長さを誇ります。また、鵜飼でもよく知られ、名水100選にも選ばれています。
流域に住む人々にとっては、夏の川遊びや鮎釣りの風景、鵜飼など、ふるさとの美しい原風景といえるでしょう。
この川は人々の暮らしと長い歴史を共存してきました。1300年の歴史を誇る風物詩である「鵜飼」をはじめ、「瀬張り網漁」「夜網漁」など、流域には伝統的な漁が伝わっています。
澄んだ流れには繊細な鮎が生息し、豊かな自然と人々の暮らしが深く結びついています。
2015年、この川と地域の暮らしが織りなす「清流長良川の鮎~里川における人と鮎のつながり~」が、世界農業遺産に認定されました。世界農業遺産とは、世界の食糧の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」によって創設されたもの。地域の人々の生活の中でこの清流がしっかり守られており、そこで鮎が育ち、流域の経済や歴史文化とも強く結びついている点が高く評価されました。
大自然の中で鮎つかみ取りなどを楽しむ「清流長良川の鮎体験ツアー」なども企画されています。

ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・行事」

山鉾行事

2016年11月、ユネスコによって、「京都祇園祭の山鉾行事」(京都市)をはじめとする、全国の「山・鉾・屋台行事」で構成される33件の祭りが無形文化遺産に登録されました。
「山・鉾・屋台行事」とは、山、鉾、屋台、笠など、地域により呼び方は変わりますが、さまざまな形状の神霊の依り代としての山車(だし)を中心としたお祭りのことを言います。
山や鉾を曳くお祭りを通して、神様に感謝し、なだめることで疫病や天災などから地域を守り、地域の繁栄や安泰、豊作を祈願するものです。
神様を迎えるため、山車は華やかに美しく装飾されます。その地域を代表する染物や織物、木彫、金工などの伝統工芸の結晶で飾り立て、賑やかに華やかに神様をお迎えします。
選ばれた33件のお祭りは、いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている、山車(だし)の巡行を中心に構成されています。
岐阜県では、「高山祭」、「古川祭」、「大垣まつり」の3つのお祭りが選ばれました。
どのお祭りも伝統があり、長きにわたって地元の人々によって守り、継がれ、そして未来へと繋いでいきたい大切なものです。